新型コロナワクチン最新情報(7月1日現在、先月と変化なし)

 現在、新型コロナワクチンの接種は中断しています。9月頃から年に1回の接種として65歳以上の方と65歳未満で基礎疾患ありと申告された方を対象に再開される予定ですが、これまでのように全額公費ではなく、7000円の自己負担で一部公費補助となることが発表されています。ワクチンも市から医療機関への無償配布ではなく、薬品問屋からの購入となります。
それでも接種希望者がいるのでしょうか?なおかつ医療機関の側でも現在国から無償で提供されているワクチンも有料となれば、1バイアルから6人分というのは変わらないでしょうから(ファイザーが一人用を開発したとの報道はあります)、希望者が揃わないと原価割れが発生するリスクもあり、取り扱わない医療機関も続出すると思われ、事実上新型コロナワクチン接種はこれで終了となるのではないかと感じています。
 これまでの経過をまとめますと、当院ではこれまで週50本のファイザー製ワクチンを頂き、月曜日から金曜日までの午前午後、毎日60人の接種を実施してまいりましたが、全体的に接種も一段落し、接種希望者もぐっと減り、昨年5月8日からは感染症法上2類から5類に変更になって、マスク着用も昨年3月13日以降推奨しない方向となり、本格的なウィズコロナの時代となりました。
長いマスク生活で特に子供の免疫が低下してしまって、季節外れのインフルエンザだけでなく、アデノウィルス、RSウイルス、ヘルパンギーナ(コクサッキーウイルス)、ヒトメタニューモウイルス、溶連菌感染症、麻疹、マイコプラズマなど(外国では麻疹が酷そうです)多くの感染症が流行しています。
空気中には多くのウイルス、細菌などが常に一定量浮遊していて、私たちはそれを常に吸い込んでいます。発病しない程度のウイルス、細菌が常に吸い込まれて免疫が維持されているのですが、それが長いマスク生活でほとんど入ってこなくなって免疫が低下してしまって抵抗力が無くなってしまっているのです。皆さん、不必要な場所でのマスクは出来るだけ止めましょう。特に子供と老人に強制しないようにお願いしたいです。
ワクチンの接種は反ワクチン団体によるキャンペーンがまるで新興宗教のような妄信的な激しさで行われています。たしかに、人類が初めて手にしたメッセンジャーRNAワクチンの評価は歴史の検証を待たねばならないという側面もありますが、私たちは今回の新型コロナワクチンに打ち勝つために人類の生き残り戦略としてこの方法に賭け、これを選択したのです。当院では国の方針に従い、あくまでも接種を希望する対象者に対して実施してきました。
インフルエンザワクチンの接種も同時並行していましたが、今年度は終了しました。複数のワクチンを接種する場合、近年同日接種が認められていますが、間をあける時は生ワクチンはその後4週間、不活化ワクチンは2週間の間を空ける事とされてきました。最近、どういうわけかインフルエンザを含め他のワクチンとコロナワクチンはそんなに空けなくても良いかのような情報が飛び交っています。これは免疫学的に間違っていると思います。今までそういうことはしてこなかったので副作用のデータは蓄積がありませんが後から間を空けずに打つワクチンは免疫が得られないというのは免疫学の常識で、実際に私の経験でも風疹に罹った子が1週間後に水痘に罹って、水痘の免疫が出来ず半年後にまた水痘に罹るという事例を経験しています。折角うつのに免疫が出来なくては後から打つ方が無駄になるのできちんと間を空けるようお勧めしています。納得されずによそへ行ってうつ方もありますが私は信念に従いそういう無知に迎合せず、そうなさる方はその方の自己責任で仕方ないと思っています。