新型コロナワクチン最新情報(11月1日現在)

 現在、新型コロナワクチンの接種は中断しています。9月頃から年に1回の接種として65歳以上の方と65歳未満で基礎疾患ありと申告された方を対象に再開される予定ですが、これまでのように全額公費ではなく、浜松市では3260円の自己負担で一部公費補助となっています。ワクチンも市から医療機関への無償配布ではなく、薬品問屋からの購入となり1人1万円以上とかなりの高額です。
  これまでの経過をまとめますと、当院ではこれまで週50本のファイザー製ワクチンを頂き、月曜日から金曜日までの午前午後、毎日60人の接種を実施してまいりましたが、全体的に接種も一段落し、接種希望者もぐっと減り、昨年5月8日からは感染症法上2類から5類に変更になって、マスク着用も昨年3月13日以降推奨しない方向となり、本格的なウィズコロナの時代となりました。
長いマスク生活で特に子供の免疫が低下してしまって、季節外れのインフルエンザだけでなく、アデノウィルス、RSウイルス、ヘルパンギーナ(コクサッキーウイルス)、ヒトメタニューモウイルス、溶連菌感染症、麻疹、マイコプラズマなど(外国では麻疹が酷そうです)多くの感染症が流行しています。
 空気中には多くのウイルス、細菌などが常に一定量浮遊していて、私たちはそれを常に吸い込んでいます。発病しない程度のウイルス、細菌が常に吸い込まれて免疫が維持されているのですが、それが長いマスク生活でほとんど入ってこなくなって免疫が低下してしまって抵抗力が無くなってしまっているのです。皆さん、不必要な場所でのマスクは出来るだけ止めましょう。特に子供と老人に強制しないようにお願いしたいです。
 新型コロナワクチンの接種は反ワクチン団体によるキャンペーンがまるで新興宗教のような妄信的な激しさで行われています。たしかに、人類が初めて手にしたメッセンジャーRNAワクチンの評価は歴史の検証を待たねばならないという側面もありますが、私たちは今回の新型コロナワクチンに打ち勝つために人類の生き残り戦略としてこの方法に賭け、これを選択したのです。当院では国の方針に従い、あくまでも接種を希望する対象者に対して実施してきました。

 今年4月以降、新型コロナワクチンは年1回、秋の定期接種、自己負担ありとなりました。浜松市は65歳以上(40歳以上65歳未満で基礎疾患ありと届け出て認められた方を含む)で3260円です。自治体によって補助額が違い、自己負担が7000円のところや、2000円のところなどいろいろあるようです。補助対象外は自費になりますが15000円ぐらいとされています。
 インフルエンザワクチンの秋の定期接種も同時に始まりました。こちらは浜松市では65歳以上の自己負担は1600円です。自費は当院では年齢で分けており、13歳未満は2回受けることとされているので、1回目を2歳未満は1000円、2歳から6歳未満は2000円、6歳から13歳未満は3000円とし、2回目は1000円(ただし、1回目を当院で受けた方)と致しました。13歳以上は1回接種で4000円です。

 複数のワクチンを接種する場合、近年同日接種が認められていますが、間をあける時は生ワクチンはその後4週間、不活化ワクチンは1週間の間を空ける事とされてきました。最近、どういうわけかインフルエンザを含め他のワクチンとコロナワクチンはそんなに空けなくても良いかのような情報が飛び交っています。これは免疫学的に間違っていると思います。今までそういうことはしてこなかったので副作用のデータは蓄積がありませんが後から必要な間隔を空けずに打つワクチンは免疫が得られないというのは免疫学の常識で、実際に私の経験でも風疹に罹った子が1週間後に水痘に罹って、水痘の免疫が出来ず半年後にまた水痘に罹るという事例を経験しています。折角うつのに免疫が出来なくては後から打つ方が無駄になるのできちんと間を空けるようお勧めしています。納得されずによそへ行ってうつ方もありますが私は信念に従いそういう無知に迎合せず、きちんと情報提供をしてもどうしてもそうなさる方はその方の自己責任で仕方ないと思っています。