ろう・重複障害者授産施設「遠州みみの里」とあゆむ会
会長をお引き受けして

 院長  平良 章   

   ろう・重複障害者授産施設「遠州みみの里」をつくる会が、5年間の活動を結実して今年4月に、ついに開設にこぎつけたことを心よりお喜び申し上げます。

 私は、その最後の1年間に僅かながら「浜松リバティライオンズクラブ」の会長として、その20周年記念事業に、私が製作段階で協力した映画「アイラヴユウ」の無料上映会と仲良しの大澤監督、主演女優の忍足亜希子さん、手話コーディネーターの妹尾映美子さん、お三方のトークショーを開催し、その流れの中で私の患者さんの1人、加藤年庸君からこの会の存在を知り、記念事業の一環として30万円の記念アクトを行っただけの関わりに過ぎませんでした。

 その後私も「やまびこ会・東部サークル」に入れていただき、手話を学びながら医師としても人間としても何かしらお役に立てることはないかと模索してきました。ただ3年前、医師会副会長を辞する時、もうどんな団体でも長と名のつく役は受けないと固く心に決めていたので、「みみの里とあゆむ会」の会長という話にはとても困りました。ライオンズクラブだけは医師会副会長をしているうちから、第3、第2、第1副会長と来て、20周年のために何年も前からお膳立てされた会長だったのでやむを得なかったのですが、みみの里の周りにはとても熱心な方々がたくさんいるのに、何故新参者の私のところに話が来たのか悩みました。でも医師会でも優秀な方々がたくさんいて、お互い遠慮なさって、知らないうちに私が押し出されて、一所懸命やっていると今度は目障りになってというパターンでしたから、今回もお役に立てるうちだけでも、会が立派に軌道に乗るまではしばらく知らん顔して神輿に担がれましょうと考えました。

 ひょっとしたら本当に役に立つかもしれないのです。そうなると嬉しい。意外と内情をよく知らないからこそという新鮮なアイディアが出るかもしれません。もう聾者のバンド「ブライトアイズ」のチャリティコンサート」の企画も動き出しています。浜松の殆どすべての奉仕団体を巻き込んで行った「外国人労働者医療援助基金創設チャリティバザール」を主宰した私の人脈も生きるかもしれません。何よりもこの公演を通して、次の世代を担う子供達に感動を伝えたい。私にはみんなを1人でグイグイ引っ張る力はないので、みんなのエネルギーがうまく実を結ぶような舵取り役として機能したい。

 「みみの里とあゆむ会」の初代会長として、この会の末長い発展・継続の礎を築きたいと念願しています。個人的には、何よりもこの会の総会、委員会、事務局会議で手話で私の意見が話せるような力をつけなければならない。まだまだへたくそな手話の表現力を何とかしなければいけない。忙しい仕事の合間をぬってのことで、大変ですが頑張ります。応援よろしくお願い致します。

遠州みみの里とあゆむ会・会長  平良 章

平成14年6月

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