静岡県医師会報第1214号、平成10年5月1日発行

理事4期目のスタート地点に立って


静岡県医師会理事 平良 章


1期目は外国人労働者の医療の問題に取り組んでアンケート調査を実施し、浜松で大規模なチャリティバザーを成功させました。健康を害された学校保健主任の片桐先生に代わり、当番県だった関東甲信越静の学校医協議会を担当しました。約8,000人を対象とした学校給食に関するアンケート調査の結果をまとめ、浜松市の医療奨励賞をいただき、単行本として出版しました。静岡県の委託研究事業として診療放射線技師に関するアンケート調査を手がけ、県内に4年制の養成施設が必要なことを訴えました。また、日本医師会医師会病院・臨床検査センター等検討委員会委員を拝命し、現在東京都医師会長の佐々木健雄先生など多くの方と知りあえたことは幸いでした。

2期目は、学校保健、広報(途中交代)、情報調査の主任を仰せつかり、さらに社会保険担当として一度審査委員を経験すべきだということで、やむなく日医委員を吉永副会長と交代しました。公衆衛生の分野では、準備期間のない性急な予防接種法の改正・施行にともない、県下統一をめざしたモデル料金の設定に取り組みました。未だにそれが高すぎるという批判がありますが、私としては一所懸命予防医学に取り組んできた小児科の先生方が少子化の波の中で経営的にも苦労しておられる、予防接種は自由診療だということで税金も高い、責任も重い、世間的に理解が得られ、我々としても妥協しうる最低限の料金設定をしたつもりですのでご理解いただきたいと今も思っています。

3期目はエイズ、O-157など新興、再興感染症に追われ、一人で対応しきれずに公衆衛生委員会の発足をお願いしました。また、学校医だけでは対応の困難となった学校保健の分野では学校医会を廃止し、新たに学校保健に関連するすべての会員を網羅した学校保健部会に衣替えしましたので、大学や病院の先生のお知恵もお借りしながら荒廃した学校教育の現場をサポートできる体制づくりを進めて参ります。さらに、インターネット上に静岡県医師会のホームページを開設することができました。50の手習いで本当に苦労し、精力を使い果たして、もうこのへんで勘弁して欲しいと早々と後任を用意しての全力投球でしたが、念願のテレビ会議が実現しそうな状況となり事情が一変、続投となりました。

4期目は情報システム構築委員会を組織して、静岡県医師会ホームページの中の会員専用ページをスタートさせ、さらに、テレビ会議システムの導入に取り組みます。広く県民に開かれた医師会、会員相互の活発な意見交換、上意下達、下意上達がスムーズに行われ、生涯教育も遠隔医療も網羅された魅力的な医師会に変身し、医師会の組織率を上げたいと思います。テレビ会議システムは県内各地から若くて有能な人材が医師会活動に参画してもらえる切り札となるのではないかと期待しています。

少しずつ、牛歩のような仕事しかできませんが、平良章という変な野郎が、なんだか知らないが馬鹿みたいに一所懸命にやっているということだけはわかっていただけるのではないかと自慰的に自分を鼓舞しています。またもう2年、平成12年3月31日は介護保険施行前夜となりますが、とりあえずその日まで私なりに頑張りますので宜しくご指導ご鞭撻をお願い致しまして、4期目のスタートのご挨拶と致します。




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