舌下免疫療法(減感作療法)とは
@スギ花粉アレルギー(ヒノキも抗原性が似ているので効果があります)による花粉症、アレルギー性鼻炎と
Aダニ およびその主アレルゲンがダニであるハウスダストによる 気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、皮膚炎、結膜炎
に対する根治が期待できる舌下内服による減感作療法(次第に感受性を失くし反応しなくなる治療法)です。
薬は鳥居薬品からスギとダニの2種類、塩野義製薬からダニのみ1種類が発売されており、それぞれ初期量と維持量の2製剤があります。しかし、その処方には医師であることはもちろん、特別の講習を受け、なおかつ試験に合格した方のみに処方が許されています。当院では栗山章子副院長が認定を受けています。
1回目の受診の際、血液検査でどのようなアレルゲンに反応しているか調べます。多くのアレルゲンに反応している方が多いですが、スギ、ダニ、ハウスダストが主体となっている場合が適応になります。重大な副作用としてショックやアナフィラキシーショックが報告されており、医療安全の為重症の気管支喘息の方や妊娠期間中の妊婦は行えない事になっています。重大ではないが比較的頻度の高い副作用としては口内炎、舌の下の荒れ、口腔内の腫れ、のどの痛み、目、耳の痛みなどが報告されています。
当院では鳥居薬品の薬を使用しますが、最初の1週間は初期量の1錠を毎日舌下に入れて溶けるまで1分以上舌下に置き、その後飲み込みます。その後5分間は飲食禁止です。また内服の前後2時間は激しい運動、入浴、飲酒が禁止されます。2週目からは維持量の薬を同じように服用し、3年から5年続けます。途中で中断すると初めからやり直しになるので根気がないとこの療法は成功しません。スギとダニの2種類を同時に治療する事は可能ですが、副作用などの関係でまずスギから始め、何ともなければ1か月後くらいからダニを併用すると良いでしょう。開始時期はスギ花粉とヒノキ花粉の飛散時期を避けて、6月初めから11月末までに開始した方が良いと思われます(できれば7月初めから10月末)。
ネットを見ますと、根気がいるせいか、また副作用のせいか途中で止めたいという相談もあるようですが、それはもちろん自由です。途中で止めたからといって体に不都合が生じることはなさそうです。