静岡県医師会報(平成6年4月15日発行、第1117号)

編集後記

 今期4人の理事が退任されましたが、偶然にも全員が広報担当ということで新しい広報は素人ばかりでのスタートとなりました。どうなることか不安がいっぱいですが、どうかどしどしご意見をいただき少しでも会員のためになる医師会報、県民に有益な広報になるよう努力して行きますのでよろしくご協力のほどお願い申し上げます。 さて、今月から日本医師会の生涯教育の申告システムが変更されました。

 本号では日医生涯教育委員会副委員長の柳本先生に“とびらのことば”をいただきました。柳本先生の「行政主導の生涯教育がやがて医師過剰時代における医師選別の手段に供せられ保険医の更新制への布石になる危惧は決して杞憂ではないであろう」というご意見は私も全く同感です。しかし、数日前朝日新聞の読者のページに医師の生涯教育はこれでいいのかという意見が載りました。命をあづける医師は数年に1度はちゃんとした試験でその免許の見直しをすべきである、自分たちでやっている講演会程度では出ない人もいるというしあてにならないというものです。厚生省が生涯教育を盾に保険医の更新制を目論む世論的背景は十分にあり、だからこそ日医は生涯教育の申告率100%を目指し、弁護士の開業や優生保護法の指定医などのように医師の学術団体である日本医師会にその権限を委譲するよう運動をしていく、医師会が自浄作用を発揮する為にもそれがより良い手段だと思います。

 日本医師会の役員選挙も終わり、村瀬会長が無事再選されました。“かかりつけ医師”は医師が目指すべき理念であって「点数化することなど夢にも考えていない」と発言して来たことも、うやむやになりました。今や厚生省の代弁者にすぎないのではないかという末端会員の不満が巷に満ち満ちていることをどうやって日本医師会の執行部に伝えればいいのか、私たちがやるべきこともまだまだたくさんありそうです。言いたいことを言う広報で申し訳ありませんがこういう会務分掌になったということで2年間お付き合いいただけますよう伏してお願い申し上げ、今年度第一回の編集後記とさせていただきます。

(平成6年4月3日 平良 章記)

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