静岡県医師会報・平成7年7月1日発行

予 防 接 種 だ よ り

 5月12日付けのメディファックスに以下のような記事が載りました。

 宮崎秀樹氏(自民党)は、結核予防法改正に絡めて予防接種ガイドラインで定められているBCG接種の実施時間、人数がツベルク リン反応検査にも適用されるとの誤解が生じており、結核感染予防に支障が生じている現状を問題視。これに対して松村保健医療局長 は「ツベルクリン反応検査は感染を判定するのみで、予防接種とは異なる。誤解が生じないよう改めて指導を徹底したい」と語った。

    厚生省がどのような形でこのことの周知をはかるのか現時点ではわかりませんが、従来、ツベルクリン反応検査は少々の発熱でも実施して差し支えないはずですし、きちんと皮内に入らなければ場所を変えてもう1回やってもよいことになっています。即ち、判定後にBCGを接種すべきかどうかの判断をするための検査であって予防接種とは全く異なるものであります。 ただし、ツベルクリンアネルギー(反応減弱あるいは陰転化)や、BCGとの間隔の問題から過去1ケ月以内の生ワクチンの予防接種および同疾患の罹患の有無、ステロイド投与の有無、高熱、広範な皮膚疾患等は検温、問診表で確認の上、必要と考えられる場合は診察した上で判断していただきたいのは従来と変わりないわけであります。ただ、ツベルクリン反応検査に際しての一人一人の綿密な予診は必要ないことをあらためて予防接種担当医師はじめ関係各位に周知方よろしくお願い申し上げます。

(文責:予防接種担当理事 平良 章)


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