平成6年度学校検尿集計に寄せて

     

(静岡県医師会学校保健担当理事 平良 章)

 平成6年度の検尿集計がまとまりましたので、ご報告致します。今後の児童・生徒の健康管理にご活用いただければ幸いです。
1973年の学校保健法施行規則改正で1974年度から小、中学生の健康診断に検尿が加わってから20年を経過し、糸球体腎炎の発見率もその発症率程度となり、逆に無症候性血尿・蛋白尿の長期観察例が増加し、尿異常児にもたらす不利益と学校検尿の限界が議論されるようになってきました。しかし尿糖は、小児成人病の増加に伴い糖尿病の早期発見の有力手段となっており、そういう意味で1次検査の有所見者で2次検査を受けない者が小学校で約100名、中学校で約200名いることは多少問題となりそうです。特に都市部で多い傾向ですので注意を喚起する必要があるかと思います。また精度管理の面で、糖、蛋白、潜血いずれも(+)以上を陽性とするところ、(±)以上を陽性とするところなどそれぞれの考えで県下のみならず、全国的にもまだ統一するには至りませんのでそうした点も今後の問題点かと思います。


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