チャリティウオークラリーの始まり

 ウオークラリーは三ヶ日が世界へ向けての発信基地である。渡邊佳洋先生が三ヶ日青年の家の指導主事であった頃にオリエンテーリングとカーラリーをヒントに考案され、発展したものであるという。なんでもチャリティにしてしまう平良君が「病気遺児支援チャリティウオークラリーをやろう」と言い出した頃はまだウオークラリーがどんなものかほとんど知らず、「平地でやるオリエンテーリングのようなものだよ」などといい加減なことを言っていたものだ。それが具体化し、実施される段階ではもうリバティクラブ皆のものになって行った。渡邊先生との出会いは以外に早くチャンスに恵まれた。平良むつみさんがPTAの講演会で渡邊先生のお話を聞き、ウオークラリーの考案者が渡邊先生であることをつきとめたからである。早速平良君が当時朝霧野外活動センターの所長をしておられた渡邊先生と接触し、手紙のやりとりをへて三ヶ日青年の家での講習会の紹介をいただき、事務局の中山さん、平良むつみさんを含め4名が参加できた。この女性2人の参加が今回の成功の秘訣であったと思う。また渡邊先生にはリバティクラブへも講演にきていただくことができた。それまで の8年間、平良内科○周年記念チャリティゴルフ大会という形でその収益金を主として交通遺児育英基金へ送り続け、その額は360万円に達していた。一昨年のある日、当時の松本会長、田中幹事がその年の収益金を届けての帰り、もう交通遺児の育英基金は潤沢になったようだという話をした。そのとき平良君は即座に「それでは今度は病気遺児にしよう」と提案した。

 それは平良君自身が内科医であり日常的に見ている身につまされる身近な問題であったこと、そしてチャリティウオークラリーが終わったときに気がついたのだがなんと平良君自身が病気遺児であったことと関係があるかもしれない。小学4年の2月に父が死に、そのとき7人兄弟の長女が高1、末の妹がまだ2歳だった。そのため5年間は生活保護を受けた。その屈辱から逃れるための祖母を含めた9人家族の努力は並大抵のものではなかった。朝は早くから起きて働き、夜ランプの明かりで勉強した。居眠りして机のそばの張り紙を焦がし死ぬほど怒られたこともあった。高校や大学へ行けるとは考えてもみなかったが育英会の奨学金と、沖縄だけの文部省の国費留学制度のおかげで徳島大学医学部へ配属され今日がある。しかし、だからチャリティ活動をやるのだとは思わない。過去は自分が成長して行く過程のこやしに過ぎない。過去を振り返るのはまだ早すぎるだろう。これからの自分はあくまでこれからの自分の努力でしか切り開かれないと思う。ライオンズクラブの事業もまたしかりである。

参考:

拝啓
冷夏のうちに残暑を迎え、早くもめっきり秋らしくなってまいりました今日この頃ですがいかがお過ごしでしょうか。
 本日は渡邊先生に大変失礼なことになっていることを知り、慌ててお手紙を差し上げる次第です。実は私が医師会の仕事で多忙のため、7月の浜松リバティライオンズクラブの第2例会(7月28日)での計画委員長との打ち合わせで渡邊先生への正式な招請状を計画委員会から会長名で送っていただくように引き継ぎを致しましたが、その後ライオンズクラブの会合に出席できずに1ケ月半経ってしまいました。引き継ぎとは別に、その旨をお知らせしておくべきだったと重々後悔しております。その間にチャリティウォークラリー実行委員会が発足し、私が実行委員長になったということで委員の方々が昨日、私のオフィスに打ち合わせに来て下さり進行状況を伺いましたところ計画委員長がまだ招請状を差し上げていない事を知り大変びっくりし、また大変申し訳なくおわびを申し上げる次第です。お腹立ちのこととは存じますが、もしその後予定が入っておられなければ来年1月26日、是非ともご講演を賜りますよう伏してお願い申し上げます。
なお、11月21−23日の三ヶ日青年の家での講習会にはチャリティウォークラリー実行委員会委員長代行の宮下 博、茗荷収永と平良むつみ、事務局員の中山令子の4名が参加するよう申し込みを済ませてありますのでよろしくお願い申し上げます。
今後はこういう失礼のないよう肝に銘じて進めさせていただきますので、なにとぞお許しいただきチャリティウォークラリー成功のため是非お力添えをいただきますよう重ね重ねお願い申し上げます。

平成5年9月17日



拝啓
梅雨明け間近とはいえ、大変蒸し暑いこの頃ですが、渡邊先生にはますますご壮健のことと拝察申し上げます。
先日は貴重な資料をお送りいただきありがとうございました。早速、本日の例会で報告し、来週火曜日(7月20日)事業委員会を中心に私のオフィスでいただきました資料を元にした勉強会を開催することに致しました。11月21-23日の三ヶ日青年の家での講習会への参加者もその日に決めたいと思います。私自身は20日、21日が中部医師会連合委員総会で福井へ出掛けなければなりませんし、22日は飛石連休の谷間で医療機関は大変に混雑する日ですのでとても参加できそうもありませんが、家内が参加してみたいと申しておりますので当日はなにとぞよろしくお願い致します。

 さて、当ライオンズクラブでご講演をお願いする件ですが、11月10日(水)の3クラブ合同例会は予定が決まってしまったとのことで、計画委員会では11月24日(水)か1月26日(水)のどちらか(いずれも午後6時半からグランドホテル浜松)にお願いできないかと申しております。大変勝手なお願いで申し訳ありませんが先生のご都合をお聞かせいただければ幸いです。決まりましたら、できるだけ多くの方に聞いていただく為に、またチャリティウォークラリーへの協力をお願いする意味でも他クラブへも案内を出して人集めをしたいと思います。また内容も先生のお考えのとうり、青少年の健全育成のお話しを含んでいただいて大変結構と思います。時期的にも11月はチャリティウォークラリーの具体的な日程が決まって、しかも講習会の直後でいよいよクラブメンバー一丸となって取り組みを始める時期、あるいは1月はチャリティウォークラリーの直前でクラブメンバー全員でやるんだというムードを盛り上げるのに絶好の時期との判断です。なにとぞ意のあるところをお汲みいただきよろしくご協力、ご指導のほどお願い申し上げます。
 末筆ながら皆様のご多幸をお祈り申し上げます。

平成5年7月14日



拝啓
梅雨どきながらたびたびの真夏日の記録が聞かれる蒸し暑いこの頃ですが、渡邊先生にはますますご壮健のことと拝察申し上げます。
初めてお便り致します私は、浜松市で内科を開業する者で平良(たいら)と申します。社会奉仕活動としては10年来浜松リバティライオンズクラブに属し、静岡県医師会理事、浜松市医師会理事を併任しております。個人的には開業以来、開院○周年記念チャリティゴルフコンペを毎年開催し、今年は8月12日に第11回目となりますが、これまでに所属ライオンズクラブをとうして交通遺児育英資金を中心に約400万円のアクトを行って来ました。また、今年2月には医師会を中心に浜松市内のライオンズクラブ、ロータリークラブ、ソロプチミスト、JC、YWCA、聖隷福祉事業団、商工会議所青年部、薬剤師会、歯科医師会、SBSテレビ、中日新聞、静岡新聞など25団体の協力を得て外国人労働者医療援助基金創設チャリティバザールを企画実施、その実行委員長として努力しました。

 こうした経過の中で、今度は所属ライオンズクラブで、事業委員長として病気遺児の育英資金の為にチャリティウォークラリーをやろうとの企画を始めております。新聞などで時々どこかの団体がやったという記事を目にしますが、実際にやろうとすると具体的な事がよく分かりません。そこでウォークラリーの考案者であられる渡邊先生のご指導をいただきたく失礼をも顧みずお手紙を差し上げた次第です。何か資料のようなものがございましたらいただけませんでしょうか。また、ライオンズクラブでご講演をお願いすることが可能でしょうか。先生のご都合も合わせてお聞かせいただければ幸いです。チャリティウォークラリーは来年1−3月頃にやりたいと考えています。当クラブの例会は毎月第2、4水曜日午後6時半からグランドホテル浜松で行っております。私の考えでは、単一クラブでは旅費に毛の生えた程度しか講演料も出せませんし、またできるだけ多くの方に聞いていただく為にも11月10日(水)午後6時半から予定されております浜松西、南、リバティ3クラブの合同例会へお招きできればと思っております。
生来の悪筆のため、ワープロを使用しました失礼をお許しください。末筆ながら皆様のご多幸をお祈り申し上げます。


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