静岡県医師会報第1210号、平成10年3月1日発行

編集後記

 ドラマを見て涙し、音楽を聴きながらぼんやりとうたた寝する平凡な幸せが、「目の前に山積している懸案事項を片づけていくアクティビティの低下による自堕落な生活」といつしか自虐的に思うようになって久しい。そう思わなければこなしていけない仕事量。一服の清涼剤を探し求めながら、そうした生活がさらにもう2年続くことになって、長いようで短く、短いようで長いかもしれない自分の残りの人生に想いを致しています。

 高橋淳司先生の「ゴルフ三昧」。私も休日当番医以外はすべてゴルフで埋め尽くし、年間50回ぐらいゴルフをやった何年か前を懐かしく思い出しました。今では平日は様々な会議で空いている日がなく、日曜日をゴルフで潰せない状態になってすごく運動不足になりました。こういう不健康な生活、医者の不養生の典型かも知れません。インフルエンザが猛威を振るい、私のオフィスでも2月前半の半月、診療日11日(午前のみ診療の4日を含む)のうち外来患者200人以上の日が7日、計2,150名とまさに10年ぶりの大流行です。私は昨年の流行が騒がれた割には短期間で、トータルの患者数もそう多くなかったことから、過去10年周期(千九百何十七年プラスマイナス一年)で見られている大流行は今年に違いないと予測していました。しかも、予防接種法改正でインフルエンザは対象外の任意接種となり、10mlのバイアルも製造されなくなって受ける人も激減しました。公衆衛生審議会は汎流行期に予防接種法に定める臨時の予防接種に指定することを提言しておりますが、汎流行期というのは同時にすでに終息に向かっている時期ですから、それからの接種に意味があるでしょうか 。

 県や市の医師会レベルでやれることはたかが知れてますが、上部団体やお上を批判するだけの評論家にならず、私たちなりに小回りの利く対応を心掛け、これまでどうり実施段階で修正可能なものは修正し、我々方式にしていくという考えで進みたいと思います。

 次の2年間はいよいよ念願のテレビ会議システム導入の仕事をメインにして参ります。応援を宜しくお願いいたします。


(平成10年2月14日 平良 章 記)

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