浜松リバティライオンズクラブ会報1989年1月号(第20号)


糖尿体質者の食事の注意


注:医学用語としてはこういう言葉はありません。しかし、糖尿病という不治の病に侵されたと悲観するよりも、合併症さえ起こさなければ体質と考えていただいた方が食事療法や運動療法が進めやすいし、続けてもらえるとの期待からこのような新語を用いて説明しています。


1.時間:食事は一日三回、できるだけ決まった時間に規則正しくゆったりと30分くらい時間をかけて摂ること。
 間食は禁止。朝食抜きもだめ。朝30%、昼30%、夕40%の配分にする。
 隠居して時間が自由になるのなら、理想は一日二食。朝5時に起きて30分散歩、10時頃食事、30分昼寝して30分散歩、夕方5時に食事して、夜9時には就寝したい。朝寝坊して、大慌てで朝食では胃も目覚めず大変なのです。


2.量:腹八分、暴飲暴食は慎むべし。漢方の食養では腹三分と戒めています。

3.内容:主食を減らして副食中心。特に野菜中心。
 タンパク質は植物性タンパク質を豆腐など豆製品で摂りましょう。
 外食の場合など【ご飯、肉は半分。野菜はたっぷり。】と考えて気楽に取り組みましょう。
 ご飯は玄米食ならビタミン、ミネラルを含むバランスの良い植物性食品です。しかも良く噛まねばならないので早食いにならず消化液もよく出て一石二鳥、白いご飯なら麦も二割程度混ぜましょう。


4.甘いものは毒と思うこと。
 果物も糖分が多いので半分か四分の一。おリンゴに換算して一日一個を三回に分けて。
 饅頭1個でも毒は毒。ジュース、コーヒー、コーラは止めましょう。
 食事の味付けはマービーなどの人工甘味料の使用やみりんの代用も考えましょう。

5.水分を摂りすぎないように脱水にならない程度に気をつけること。夏でもできるだけ温かい飲み物にすること。尿の色をよく見て、正常は麦藁色といって薄い黄色、それより濃いのは脱水気味、それより薄いのは水分の摂りすぎ。冷たいものは飲み過ぎになりやすいので注意。喉が渇いたらうがいを多用して、10回うがいをしたら、一回飲んでもいいくらいのつもりで。冷たいものが欲しいときは氷をふくむ。口の中はさっぱりするし、飲み込む水分量は少なくてすむ。

6.アルコールは控えめ。できれば止める。飲むときは主食に含めて考えること。アルコールを飲むときは、ご飯を止めて、豆腐、アスパラガス等植物性食品を肴にウイスキーのお湯割りを一杯か二杯に止めておく。アルコールはできればウイスキー、ブランデー、焼酎などの蒸留酒だが、たくさん飲めば関係なくなってしまう。害を少なくするためには少量のアルコール量、少量の水分量で済ませる工夫をする。ビールなら中瓶一本まで、サイダー、コーラなどカロリーの高いもので割らないこと。体を暖め、早く、ほどよく酔うためにできるだけお湯割りにする。

7.適度な運動をすること。
 散歩、ジョギング、ゴルフ、ゲートボール、ラジオ体操など。軽い運動を無理のない程度に毎日30分でも続けることが大切。


以上、守れれば糖尿体質者。守れなければ合併症一杯の糖尿病。健康者の健康維持法でもあるのですぞ。



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