浜松リバティライオンズクラブ会報1989年1月号(第20号)
煙草の嗜み方
煙草の嗜み方には大きく分けて三とおりあると思う。一つは、煙草を吹かす人、このタイプの人は、周りの人に迷惑をかけることはあっても自分自身の健康にはあまり害がない。しかし、風邪を引いて喉が痛いときくらいはお休みして欲しい。
二つ目は、煙草を飲む人。この場合は胃の粘膜への直接障害が問題である。したがって胃の悪い人、特に胃潰瘍、十二指腸潰瘍を患った人はしばらくお休みしなければならない。
三つ目が煙草を吸う人である。これは煙草が直接肺に入ることになる。肺ガンが問題になるのは主としてこのタイプである。風邪、気管支炎、肺気腫、気管支拡張症など呼吸器系の病気では急性のものはお休み、慢性の場合は止めてもらわなくてはいけない。この場合タールは細気管支から肺胞に沈殿蓄積し、まず排出されることはない。そして、ニコチンは肺胞壁から血管に入り、全身の、特に血管系に障害をもたらす。血管系の中心である心臓では煙草だけで不整脈を引き起こすことができる。狭心症、冠不全、不整脈、心筋梗塞は言うに及ばずすべての心臓病に禁忌である。脳の血管系にもはなはだ好ましくない。
「煙草が体に合わないんだよね」と私に言われる人は、血液まで粘っこくなってしまう。ヘモグロビン濃度、赤血球の密度が増し、多血症といわれる状態になって脳血栓の危険性が増してくる。慢性的に頭痛に悩まされることも多い。
同じく喫煙、煙草をたしなむといってもこのように三者三様である。煙草をたしなむ人は、自分がどのタイプに当てはまるかを再チェックし、煙草とどう付き合っていくか、もう一度よく考えよう。
特に煙草を吸う人、中でも煙草を吸い込む人はこの機会に止めるか、喫い方を変えるかしたほうがよいと思う。百害あっつて一理なしというのはこのタイプの嗜み方なのです。