関係奉仕団体様各位
拝啓すっかり秋めいてまいりましたが、皆様方にはますますご清栄のことと拝察申し上げます。
さて、皆様方の絶大なるご協力をいただいた外国人労働者医療援助基金創設チャリティバザールの計画が始まったのが5年前の今頃でした。1000万円という目標を掲げて、バザーの収益金や寄付金、テレホンカード・切手・商品券・図書券・ギフト券・ビール券などの換金、さらには医療機関や各奉仕団体の事務所や協力企業に置いていただいた竹筒募金にその後の追加や松菱サロンコンサートに竹筒を置いていただいたりして、昨日までに総計金額が559万4900円となりました。これが生み出した果実は32万3044円であります。
当初の私たちの目標は、果実でまず不法就労外国人を含む外国人に対して、胸部X線検査などの無料健康診断を実施することでありました。しかし、バザーの後すぐに、私が静岡県医師会の理事に推され、第2弾の企画を出せないまま今日に至っていることはまことに申し訳ない次第です。
この間、当時の大内厚生大臣より基金創設の話があり、これにドッキングしたい旨の手紙を差し上げて、いただいたご返事を浜松市医師会ウイクリーへ掲載致しましたが、これも政権交代でつぶれてしまいました。八方塞がりの状態でございましたが、この度、浜松中ロータ
リークラブがその10周年の記念事業として、来る10月27日(日)フォルテで、外国人の無料健康相談と検診会を行うとのことで、後援の依頼がありました。
浜松市内のロータリークラブはバザー当時、第6分区、第7分区とも私たちの活動に批判的で、まともな外国人は保険証を持っているから、君たちが助けようとしているのは不法就労者だ、法治国家の一員としてそれはやるべきことではないとおしかりを受け、分区代理・会長・幹事の方々の賛同を得られず大変残念に思いました。
しかし、浜松ロータリークラブの久野雅男様のご尽力でなんとかロータリークラブコーナーを開設することができ、ロータリークラブ所属の医師会員もそこへ参加していただいたことをなつかしく思い出しました。当時とは人も変わり、考え方も変わり、社会情勢も変わりました。私も浜松市医師会副会長と静岡県医師会理事を兼任する立場で、この問題では当分とても動けそうもありません。
私は今、私たちがやろうとして未だなしえない外国人の無料健康相談と検診会をかなりのエネルギーをもって計画、実行しようとしている浜松中ロータリークラブの皆様に敬意を表し、過去の行きがかりを捨てて、果実の一部と
して10万円をこれに提供し支援したいと考えました。
本来、チャリティ活動にご協力いただいたすべての方々のご理解を得るのが筋であることは重々承知しておりますが、中ロータリークラブの事業の後援団体を記したポスターの印刷のタイムスケジュールや、わたし自身の公務日程の都合などで9月中にお集まりいただく予定が立ちません。
そこで、今回の外国人無料健康相談と検診会に対する後援と資金提供に関する私の考えをお手紙、FAXでお知らせし、お電話、FAXでご意見をいただく方法をとることとしたいと思います。なにとぞご理解とご協力を賜りますよう伏してお願い申し上げます。 敬具
平成8年9月11日